4/ 5stars

女性的な優しさと滑らかさに満ちた第13番、美しく穏やかな終焉の世界観が漂う第21番というシューベルトの美しいピアノ曲を満喫できるアルバムです。 千人一人のリリシストであるルプーは、ダイナミックで力強いフォルテと繊細な美しさのピアニッシモによる強弱表現を駆使して曲全体を劇的な構成にし、透明な音色で抒情的に歌い込み聴者を魅了します。 ※1991年にスイス・コルゾーのサル・ド・シャトネールでデジタル録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD。

5/ 5stars

何度聴いてもどうしてこう弾くのか分かりません。諏訪内晶子は大変好きなヴァイオリニストで昨年外国で演奏したときの録音を聴いても実力は日本ナンバーワンで充実しているなと思い、期待して待っていましたが、このバッハは厳しさに欠けるように聴こえます。彼女に続く実力の神尾真由子のパルティータ集と比較するとどう聴いても優れているとは思えません。とても残念に思っています。

4/ 5stars

プロコフィエフを代表する名作の戦争ソナタは、第二次世界大戦中に作曲されたという呼称であり、戦争を暗喩した作品とは違います。ピアノで新しい表現を創り出したモダニズムと旋律美を融合した色彩豊かな音楽は聴き応えあります。奏者アシュケナージの技巧と音楽性も素晴らしく、個性的な作品を見事に表現しています。 ※1993-1994年にメッケン（ホール）でデジタル録音SHM-CD。

5/ 5stars

当曲の奏者を語るときに外せないグールドの存在がありますが、現代ピアノで弾くゴールドベルクの可能性を追求したペライアの王道を行く解釈が素晴らしいです。 ペライアは、きめ細かく透明な美しい音色でテクニックと抒情表現を併せ持ったピアニズムであり、大バッハの小宇宙を一曲ごと丁寧に表現しています。アリアの美しさに魅了させられると共に、第24変奏からクライマックスまでの圧倒的な名演奏が印象に残ります。 ※2000年にスイスのラショードフォンにあるラサールドムジーク(音響の良さで知られる音楽室)で録音、ルビジウム・クロック・カッティングCD。

3/ 5stars

在庫処分で安かったので買いました。 ファビオ・マルティーノさんという方の演奏は初めて聴きます。録音当時（2012年）24才くらいですか。 その後のご活躍の状況がよくわからないのですが、このディスクのあと録音は積極的に行ってはいないようです。 なんといいますか、中途半端というと言い過ぎですがいささかボンヤリした印象？ でも、もっとイケそうな感じもする？ 「おまえ、ナニさま？」と言っちゃってくださって結構です。 で、クリーガー（クリーゲルという表記もあります）の音程のための練習曲、ヘラーのピアノソナタがオモシロかったです。とくにクリーガーの練習曲ですが、ピアノという楽器で「音程」というものがあり得る？Intervalaresというポルトガル語は「音程」というニュアンスなのか存じ上げないのですけど、そんなつまんないことが気になったり、でもナニを聴いても面白かった！と感じるワタシはたぶんダメなリスナーなんでしょう。 2022.4.12 追記 聴き返してみると、ブラームス、とっても良いです。